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画伝(第八)

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この絵は、正秉が神去った時に、亡骸の周囲に白絹張の屏風を建てて、御榊燈火御神饌を捧げた状態を表したもの。また屏風の左側に書かれている立ち昇る煙のようなものは天之御中主神から与えられた分神の魂が天上に去って神の御許に立ち帰った有様を現したのもの。また左の屏風の上にかすかに黒く玉のように現れているのは神気をこの世に留めて皇基を護っている有様を示したもの。この時、家族を始め坊城伯爵・長谷川子爵・今園男爵・芝小路男爵その他の人々および庁員高弟等側近が付き添い、看護をするなか正秉は心安らかに手を組み「かみながら」と黙祷しながら、神去った。生前正秉神徳を慕われていた有栖川慰子大妃殿下は逝去を悼み、すぐに特使を遣って御霊前に玉串を献供された。正秉は神去るにあたり辞世を残している。この辞世を見た宮内省秘書官長從二位勲二等股野琢氏は「私は今日に至るまで生前において死を知り、このような立派な辞世を残された人は我が国に名儈智識があってもいまだにこのようなものを聞いたことがありません、陛下の読書の際にお渡ししたい」と懇願されたので、恐れ多くも献上した。また伊勢神宮の松木時彦氏も来庁して、これを手にし涙を拭って「幽顕一致の惟神の道を真に体現された人は、芳村管長だけである。今やこの偉人を失うことは実にこの国の道のために悲しみに堪えない。しかし神習教を遺されたので、これを盛大にすることこそ故人に対する報恩である」と力説された。

御辞世
一、
要将斯道救斯時 この道をもってこの時を救うを要す
窮達栄枯不復疑 窮達栄枯また疑わず
今日騎龍天上去 こんにち龍に乗りて天上に去る
長留神気護皇基 とこしなえに御霊を留めて皇を護る
二、
吾本出於神 我もと神より出で
吾今帰於神 我いま神に帰る
生死唯一矣 生死ただ一なり
来去任惟神 来去かみながらに任す

この八枚の絵は、横山大観門下の丹阿彌更風氏の謹筆による。

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