この絵は、那須山の険しい崖にいる正秉。隣にいるのは大神の使いの白猿。那須山の崖を真直ぐに下山しようとして深い谷底に滑落しそうになった瞬間、たった一本の草の根にすがったが、その草の根も今まさに抜けようとしている。その時は「かみながら」「かみながら」と唱え瞑目して、 一筋に思ひ定めて神ながら 道守の神にまかせてぞ行く と詠んだ。するとその声と共に、木の上に白猿が現れて、崖を横に辿るようにと道案内をして危険を救われた。